図書館運営協議会
図書館運営協議会 第六期答申
「東京都立多摩図書館と市立図書館及び学校図書館との連携について」答申(2018.10.25)
国分寺市図書館運営協議会
【諮問内容】
「東京都立多摩図書館と市立図書館及び学校図書館との連携について」
【諮問理由】
国分寺市教育ビジョンでは「だれもがいつでも学び,健やかで心豊かに活動するまちづくりを推進します」を施策の方向性とし,「行政等関係部署と連携した学習機会の提供の促進」を図るために市内に移転開館される東京都立多摩図書館との連携を目標の一つとしています。
これに基づき今後市立図書館と東京都立多摩図書館との連携を図った市民サービスのあり方について研究する必要があります。
また,市立図書館はこれまで「学校と市立図書館等連絡協議会」を持ち,学校図書館との連携を図っていますが,さらに学校における読書環境の整備について東京都立多摩図書館と学校図書館の新たな連携についても研究する必要があります。
ついては,「東京都立多摩図書館と市立図書館及び学校図書館との連携について」ご意見を頂きたく諮問いたします。
はじめに
国分寺市教育委員会より,平成29年1月に国分寺市内に開館した都立多摩図書館と 市立図書館及び学校図書館(以下「三者」という。)がそれぞれの機能をこれまで以上に 発展させるための連携の在り方について,国分寺市図書館運営協議会(以下「協議会」 という。)に諮問されました。
答申を策定するにあたって協議会は、三者が連携することの意味や目的を明確にして 議論をすすめていく必要があると考えました。連携を手段として捉え、その先にある目 的について議論し「子どもの読書・学習環境の整備及び充実に向けて」をテーマとし、 市内の子ども達の読書・学習環境をより豊かなものにしていきたいと考え、そのための 三者連携の必要性について議論を重ねました。
このテーマは,協議会が以前から子どもの読書・学習環境について,その整備・充実 を,取り組むべき重要な課題の一つとして位置付けてきたことに因るものです。
近年インターネットやSNSなどの急速な普及により,子どもたちを取り巻く読書環境 が大きく変化するなか,子どもの読書環境のさらなる整備・充実を実現させるために,子どもの読書活動に関わる機関全体で取り組む必要が高まってきていると考えています。
協議会では,諮問に基づき約1年半にわたり子どもたちの読書環境の整備・充実のために三者がそれぞれどのような役割をもって連携していくことが望ましいかについて議論し,ここに答申としてまとめました。
1. 児童を取り巻く読書環境の現状と課題
市立図書館の児童サービスでは,乳幼児から18歳までを対象に,それぞれの発達段階に応じて適切な図書の提供を以下のような事業を通して行っています。
子どもたちが日常的に忙しくなっている中で,市立図書館の利用状況があまり伸びていないのが現状です。その反面,在校中に本に触れることができる学校図書館の利用が伸びていると同時に,授業における図書の活用が活発になっており,今後も学校支援の需要が高まると考えられます。この他,これまでの貸出・返却・レファレンスといった個人に対するサービス以外に,児童・生徒が自主的に活動し,図書館や本の魅力に触れ合う機会を創出する等,図書館や本を介して利用者同士がつながる仕組みづくりも課題の一つです。
市内には,地域・家庭文庫,おはなしグループなど10団体(5-2.資料 参照)が活動しており,地域の中で図書館よりさらに身近な存在として子どもの読書活動を展開しています。
活動内容は定期的なおはなし会を軸に,学校,児童館,学童保育所等子どもの集まる場所を積極的に活用し,読み聞かせ,紙芝居等を参加者にあわせた事業に取り組んでいます。団体のなかには,図書館と共催で講習会や講演会,おはなし会などを企画・運営する文庫もあります。
障害のある子どもたちへは,専用の資料の収集を中心に行っていますが,今後はさらなる支援や協力が求められており,障害のある子どもたちの実態把握や,子ども用の障害者サービス利用案内を作成・配布するなど小・中学校を中心に積極的なPRが必要と考えます。また,同時に最寄りの図書館において利用できる環境整備を進めていくことも必要です。
今後の課題として求められるのは,活動を継続していくための人材確保と育成です。地域文庫の活動は,図書館づくりに欠かせない重要な活動であると同時に,地域における子どもの居場所として大切な役割を果たしています。そのためには文庫の自立性・独立性を維持しつつ,図書館など行政との連携が必要です。
国分寺市では,平成22年度に小・中学校の全校に専任の学校司書が週5日配置され,図書の選定や蔵書の更新や学校図書館の充実を図り,それに伴う貸出及び来館者数の増加,読書活動に関わる事業として読み聞かせやブックトーク,図書委員会活動の活性化,児童・生徒への情報発信の充実,調べ学習の授業の支援等が活発に行われるようになりました。
また,保護者による図書館ボランティアの活動もさらに盛んになり,図書館内の書架整理や装飾等も活発に行われています。
こうした活動に伴い学校でもビブリオバトルやポップ作成,読書感想画等図書を使った取組も多彩になってきました。
学校図書館の役割は,学校図書館法第4条に次の5項目が示されています。
国分寺市においては[1]~[4]については,各学校図書館に配置された学校司書による 資料の収集,整備,図書館利用や読書普及等の各種活動事業など,全国的にも高い水準で維持されています。しかし,[5]については今後の大きな課題であり,単独での図書館の資料提供には限界があるため,他の機関との連携・協力が今後さらに必要と考えます。
相互連携については,現在,「学校と市立図書館等連絡協議会」との連絡協議会の定期的な開催,市立図書館からは資料提供や,「お話の出前」「サマースクール」,図書館事業等の情報提供などを行い,学校図書館からは資料相談や,学校図書館の活動情報などを共有しつつ様々な相互の連携事業を行っています。
今後,これらの連携事業をより充実させ,市内の学校図書館のサービス水準をさらに引き上げていく必要があります。
児童・生徒・教職員が市内のどこの学校でも一定の水準を維持したサービスが受け られるよう,他機関との連携・協力を積極的に進め,現状の学校図書館の機能を更にステップアップしていくことが望まれます。将来的には,学校図書館が学校全体の総合情報センターとして,読書や学習に必要な資料・情報をはじめ,学校内のあらゆる資料・情報を収集・整理・保存し,いつでも利用できる体制づくりに発展していくことが望まれます。
2.都立多摩図書館について
都立多摩図書館は,雑誌の特性を活かしたサービスを行う「東京マガジンバンク」と,都内の子ども読書活動を推進する「児童・青少年資料サービス」の二つの機能を柱に,都民の調査研究や市区町村立図書館への支援を行っています。
平成29年1月の市内への移転に伴い,より多くの都民に利用されるよう開架エリアを拡充し,開館時間を延長して運営しています。
また,「第三次東京都子供読書活動推進計画」(平成27年都教委策定)に基づき,東京都教職員研修センターと連携した教職員への研修,都立図書館ホームページによる情報発信,都立学校(高等学校,特別支援学校等)への支援等を通して,学校での読書環境づくりに寄与しています。
具体的には,学校の校外学習及び職業体験の受入れ,出張おはなし会,出張ブックトーク,市区町村立図書館(地域文庫との共催を含む。),職員,教職員向けの研修への講師が行われています。
今後の課題としては,児童・生徒の主体的・対話的な深い学びを実現するための場の提供があります。そのためには,地域の公立図書館や学校の実情を把握し,効果的な支援を展開していくことが必要です。
都立多摩図書館は,東京都全体の子どもの主体的な読書活動を推進する役割を担っており,このような趣旨に基づき,学校支援についてもより効果的な方法を検討していく必要があります。
3. 相互の連携について ~期待されること~
「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(平成24年12月19日文部科学省告示第172号)には,「連携・協力」について以下のように示されています。
図書館は,利用者の様々な要望に応えるために,他の図書館をはじめ多様な関連機関との連携・協力が必要です。国分寺市においても,近隣の図書館等の関連機関はもとより,様々な機関との連携・協力を図りつつ市民サービスに努めています。今回の諮問は,取り分け三者の連携について諮問があり,そのあり方をまとめました。
学校図書館及び市立図書館における児童・生徒の利用の変化を見ると,学校図書館の利用が増加しています(5-2資料参照)。蔵書の充実の他,学校司書の配置による恒常的な読書指導や授業における調べ学習の充実,校内における読書啓発がさかんに行われている効果が,利用増につながっていると考えられます。 こうした状況を踏まえて今後は,市立図書館と学校図書館のより強い連携が必要です。そのためにも学校の指導計画や読書計画等年間を通した相互の情報共有を一層図ることで,市立図書館が授業内容について理解を深め,適切な時期に適切な資料が十分に行き届くための体制づくりが必要です。
市立図書館については,市民をサービス対象として市民の読書環境を整えると同時に,調査・学習に必要な資料や情報を提供しています。市内の所蔵資料で対応ができない場合は,都立図書館及び他市区町村立図書館の資料を借用して提供しています。
その他,公立図書館職員を対象とした都立図書館主催の各種研修に参加することで,新たな情報の入手や職員の人材育成が図られています。 都立多摩図書館と市立図書館との連携の現状については,地域文庫と市立図書館共催の講演会への都立多摩図書館からの講師派遣や都立多摩図書館の企画展示へ市の地域資料の提供を行なっています。また,広報面では都立多摩図書館の利用案内を配布するほか,毎月の映画会や講演会等の催事情報を市報等に掲載しています。市立図書館の催事に関しては,都立図書館内における掲示及び配布を依頼しています。
学校図書館については,小・中学校に在学する児童・生徒及び教員をサービスの対象としており,図書の管理・整備及び貸出しをする「読書センター」としての機能に加えて,調べ学習のほか授業に必要な資料を用意する等「学習・情報センター」としての機能も有しています。また,自校で不足する資料については,他校の学校図書館や市立図書館と連携して資料を活用しています。
都立多摩図書館の学校への支援については,職場体験及び校外学習が実施されています。
これらの現状を踏まえて,今後,都立多摩図書館との連携の中で,市立図書館及び学校図書館が期待することとして大きく次の4点あります。
相互の催事に関する情報については,既に連携している内容をさらに発展させ,都立多摩図書館の新刊情報等の提供により学校の授業への積極的活用が図られることを期待します。
人材派遣については,市立図書館が実施する地域の文庫活動支援,学校図書館の選書支援,出張ブックトークやおはなし会のための講習への支援が期待されます。
施設やサービスの活用については,児童・生徒の主体的,対話的な深い学びを実現するための場の提供があります。また,図書の選定については選書コーナーの活用等が期待されます。
障害のある児童・生徒に向けては,市立図書館が実施する出張によるおはなし会やブックトーク等のための講習会への支援が期待されます。
また,今後小学生にも広がっていく英語教育や外国籍等の児童・生徒の増加等を踏まえた英語をはじめとする多言語資料の提供が期待されます。
4. 今後の展望
今後,三者が有効に連携していくためには市立図書館と学校図書館の連携を強化した「連携協議会」を設置した上で,三者が様々な情報や提案を共有し,継続的に協議する体制が必要です。
そのために市立図書館が三者のコーディネート役としてその機会・窓口を設け,継続的・発展的にその役割を果たすことを提言します。
市内の子ども達は,市内にある学校図書館・市立図書館・都立多摩図書館を,年齢や学齢に応じて,また,そのときどきの目的に応じて有機的に使い分けています。読書に親しむことや研究課題の解決,また,人生の岐路における選択,さらには社会人・大人へとなってからも人生の伴走者として図書館を活用していきます。
こうした切れ目のない知のインフラを継続して提供していくために,三者が社会情勢や価値観,図書館利用の変化等に柔軟にかつ継続的・発展的に話し合いをもつ機会が必要です。三図書館が市内にあるという利点を最大限に活かし,相互の理解をより一層深め,力を結集していくことで,現在の子ども達,さらには将来の子ども達にとってかけがえのない知的財産の宝庫になっていくことを大いに期待します。
※東京都全域をサービス対象とする都立多摩図書館と一自治体との関わり方については, 不確定要素はあるものの,当運営協議会としては新たな都立多摩図書館の誕生を機に今後の新しい時代に即した展開を期待します。
5.資料 ~現状分析(統計)などの関連資料~
[2] 児童資料所蔵状況
[3] 都立図書館予算・決算
[4] 児童青少年資料担当レファレンス
[5] 区市町村立図書館職員等への専門的研修及び講師派遣
[6] 関係機関等への講師派遣
[7] 学校教育活動への支援事業
(目的)
「第三次東京都子供読書活動推進計画」(平成27年2月東京都教育委員会策定)等に基づく諸事業をはじめ,児童・生徒の読書活動や学習活動及び教職員の授業研究や学校図書館運営等に対する支援を実施する。
(事業)
ア 学校レファレンス支援サービス
来館,電話,Eメール及びファクシミリ等による問合せに対し,回答を行った。
イ 職業インタビューの受入れ
学校からの申込みを受け,司書の仕事の説明及び館内見学を行った。
ウ 職業体験・インターンシップ等の受入れ
学校からの申込みを受け,職員の指導により,受付,資料の出納,整架及び本の紹介などの図書館の基本的な仕事を体験した。
エ 校外学習の受入れ
学校からの申込みを受け,実施した。中央図書館では,主に図書館を利用した文献調査方法の説明及び館内見学を行った。
多摩図書館では,小学校向けには主に見学や調べ学習など,中学校・高校向けには主に見学やインタビューなど,特別支援学校(学級)向けにはおはなし会や見学などを行った。
オ 生徒と図書館をつなぐ取組
中高生の参加を募り,図書館や読書に関する,ワークショップ,講演会等を行った。
カ 出張おはなし会・選書支援・資料貸出等の支援
キ 啓発資料・ブックリスト等の提供(多摩図書館)
「学校支援ツール」を希望する学校へ個別配布 4,111部
※配布した「学校支援ツール」の内容
「読み聞かせABC」「特別支援学校での読み聞かせ」「これならできる!自由研究111枚のアイデアカード集冊子版」
「読み聞かせに挑戦!中学生・高校生編」「ひとりでよめるよ」「えほんかるた」「ほん・本・ごほん」
「ほん・本・ごほんクイズ」「ほん・本・ごほんブックトークシナリオ」
ク 教職員向けの研修講師等の派遣
[8] 視覚障害者等用資料 所蔵状況
[9] 視覚障害者等サービス状況
登録制で、資料の対面音訳並びに、テープ・デイジー資料及び点訳資料の作成及び貸出を行っている。
[10] 視覚障害者サービス担当レファレンス (件)
[11] フロア概要
○ 対面音訳室
視覚障害者等に対して、対面朗読及び録音資料の作成を行っています。
◆バリアフリー対応等
・総合案内で、車椅子の貸出しをしています。
・「相談カウンター」や「こどものへやカウンター」で、筆談等の対応をします。
・「こどものへやカウンター」でベビーカーの貸し出しをしています。
・オストメイト対応設備があるトイレのほか、親子で利用できるトイレや授乳室があります。
・入口にAEDを設置しています。
このヒヤリングは,運営協議会の会議の場に関係者を招いて,全委員が参加する中で,説明や意見交換が行われ,この中の議論を踏まえ起草委員会を立ち上げ答申案作成の作業に入った。
【起草委員会開催経過】
【図書館運営協議会委員】(50音順) ○起草委員
国分寺市図書館運営協議会
目次 | |
---|---|
はじめに | |
1. | 児童を取り巻く読書環境の現状と課題 |
1-1. 市立図書館 | |
1-2. 市立小中学校図書館 | |
2. | 都立多摩図書館について |
3. | 相互連携について~期待されること~ |
3-1. 市立図書館と学校図書館の連携 | |
3-2. 都立多摩図書館と市立図書館及び学校図書館との連携 | |
4. | 今後の展望 |
5. | 資料 |
5-1. 市立図書館活動利用統計 | |
5-2. 市内の地域・家庭文庫、おはなしグループ等の団体一覧 | |
5-3. 学校図書館 学校別利用統計 | |
5-4. 東京都立多摩図書館 事業実績 | |
5-5. 答申作成までの経過 |
【諮問内容】
「東京都立多摩図書館と市立図書館及び学校図書館との連携について」
【諮問理由】
国分寺市教育ビジョンでは「だれもがいつでも学び,健やかで心豊かに活動するまちづくりを推進します」を施策の方向性とし,「行政等関係部署と連携した学習機会の提供の促進」を図るために市内に移転開館される東京都立多摩図書館との連携を目標の一つとしています。
これに基づき今後市立図書館と東京都立多摩図書館との連携を図った市民サービスのあり方について研究する必要があります。
また,市立図書館はこれまで「学校と市立図書館等連絡協議会」を持ち,学校図書館との連携を図っていますが,さらに学校における読書環境の整備について東京都立多摩図書館と学校図書館の新たな連携についても研究する必要があります。
ついては,「東京都立多摩図書館と市立図書館及び学校図書館との連携について」ご意見を頂きたく諮問いたします。
はじめに
国分寺市教育委員会より,平成29年1月に国分寺市内に開館した都立多摩図書館と 市立図書館及び学校図書館(以下「三者」という。)がそれぞれの機能をこれまで以上に 発展させるための連携の在り方について,国分寺市図書館運営協議会(以下「協議会」 という。)に諮問されました。
答申を策定するにあたって協議会は、三者が連携することの意味や目的を明確にして 議論をすすめていく必要があると考えました。連携を手段として捉え、その先にある目 的について議論し「子どもの読書・学習環境の整備及び充実に向けて」をテーマとし、 市内の子ども達の読書・学習環境をより豊かなものにしていきたいと考え、そのための 三者連携の必要性について議論を重ねました。
このテーマは,協議会が以前から子どもの読書・学習環境について,その整備・充実 を,取り組むべき重要な課題の一つとして位置付けてきたことに因るものです。
近年インターネットやSNSなどの急速な普及により,子どもたちを取り巻く読書環境 が大きく変化するなか,子どもの読書環境のさらなる整備・充実を実現させるために,子どもの読書活動に関わる機関全体で取り組む必要が高まってきていると考えています。
協議会では,諮問に基づき約1年半にわたり子どもたちの読書環境の整備・充実のために三者がそれぞれどのような役割をもって連携していくことが望ましいかについて議論し,ここに答申としてまとめました。
1. 児童を取り巻く読書環境の現状と課題
1-1.市立図書館
読書は子どもにとって,感性や言葉,読書力や豊かな表現力の習得につながるとともに,本から得た新しい知識は物事への理解を高め,探求・解決する力を養っていきます。市立図書館の児童サービスでは,乳幼児から18歳までを対象に,それぞれの発達段階に応じて適切な図書の提供を以下のような事業を通して行っています。
[1] | 絵本・紙芝居,知識の本,国内外の読みもの等古典から最新のものまで幅広い図書の選定・収集・保存 |
[2] | 学習・調査等への必要な資料や情報の提供(レファレンスサービス) |
[3] | 都立図書館等からの相互貸借による資料の提供 |
[4] | 学級文庫の貸出や学校の授業等への団体貸出 |
[5] | 年代別や用途別の推薦図書リストの作成・配布 |
[6] | 作家や児童文学の研究者等を招いた講演会等の開催 |
[7] | 学校等での読み手の養成として「読み聞かせ講習会」の開催 |
[8] | 定例のおはなし会,学校や児童関連施設への「おはなしの出前」 |
[9] | 学校図書館や地域・家庭文庫等の団体との連携及び支援 |
[10] | 障害のある子どもを対象とした資料の収集・提供 |
子どもたちが日常的に忙しくなっている中で,市立図書館の利用状況があまり伸びていないのが現状です。その反面,在校中に本に触れることができる学校図書館の利用が伸びていると同時に,授業における図書の活用が活発になっており,今後も学校支援の需要が高まると考えられます。この他,これまでの貸出・返却・レファレンスといった個人に対するサービス以外に,児童・生徒が自主的に活動し,図書館や本の魅力に触れ合う機会を創出する等,図書館や本を介して利用者同士がつながる仕組みづくりも課題の一つです。
市内には,地域・家庭文庫,おはなしグループなど10団体(5-2.資料 参照)が活動しており,地域の中で図書館よりさらに身近な存在として子どもの読書活動を展開しています。
活動内容は定期的なおはなし会を軸に,学校,児童館,学童保育所等子どもの集まる場所を積極的に活用し,読み聞かせ,紙芝居等を参加者にあわせた事業に取り組んでいます。団体のなかには,図書館と共催で講習会や講演会,おはなし会などを企画・運営する文庫もあります。
障害のある子どもたちへは,専用の資料の収集を中心に行っていますが,今後はさらなる支援や協力が求められており,障害のある子どもたちの実態把握や,子ども用の障害者サービス利用案内を作成・配布するなど小・中学校を中心に積極的なPRが必要と考えます。また,同時に最寄りの図書館において利用できる環境整備を進めていくことも必要です。
今後の課題として求められるのは,活動を継続していくための人材確保と育成です。地域文庫の活動は,図書館づくりに欠かせない重要な活動であると同時に,地域における子どもの居場所として大切な役割を果たしています。そのためには文庫の自立性・独立性を維持しつつ,図書館など行政との連携が必要です。
1-2.市立小中学校図書館
平成26年6月に学校図書館法の一部改正(平成27年4月施行)があり,学校図書館の職務に従事する職員を学校司書として位置付けられることがうたわれ,子どもの読書環境及び学習環境の整備・充実に向けた国の動きがありました。国分寺市では,平成22年度に小・中学校の全校に専任の学校司書が週5日配置され,図書の選定や蔵書の更新や学校図書館の充実を図り,それに伴う貸出及び来館者数の増加,読書活動に関わる事業として読み聞かせやブックトーク,図書委員会活動の活性化,児童・生徒への情報発信の充実,調べ学習の授業の支援等が活発に行われるようになりました。
また,保護者による図書館ボランティアの活動もさらに盛んになり,図書館内の書架整理や装飾等も活発に行われています。
こうした活動に伴い学校でもビブリオバトルやポップ作成,読書感想画等図書を使った取組も多彩になってきました。
学校図書館の役割は,学校図書館法第4条に次の5項目が示されています。
[1] | 図書館資料を収集し,児童又は生徒及び教員の利用に供すること。 | [2] | 図書館資料の分類配列を適切にし,及びその目録を整備すること。 | [3] | 読書会,研究会,鑑賞会,映写会,資料展示会等を行うこと。 | [4] | 図書館資料の利用その他学校図書館の利用に関し,児童又は生徒に対し指導を行うこと。 | [5] | 他の学校の学校図書館,図書館,博物館,公民館等と緊密に連絡し,及び協力すること。 |
国分寺市においては[1]~[4]については,各学校図書館に配置された学校司書による 資料の収集,整備,図書館利用や読書普及等の各種活動事業など,全国的にも高い水準で維持されています。しかし,[5]については今後の大きな課題であり,単独での図書館の資料提供には限界があるため,他の機関との連携・協力が今後さらに必要と考えます。
相互連携については,現在,「学校と市立図書館等連絡協議会」との連絡協議会の定期的な開催,市立図書館からは資料提供や,「お話の出前」「サマースクール」,図書館事業等の情報提供などを行い,学校図書館からは資料相談や,学校図書館の活動情報などを共有しつつ様々な相互の連携事業を行っています。
今後,これらの連携事業をより充実させ,市内の学校図書館のサービス水準をさらに引き上げていく必要があります。
児童・生徒・教職員が市内のどこの学校でも一定の水準を維持したサービスが受け られるよう,他機関との連携・協力を積極的に進め,現状の学校図書館の機能を更にステップアップしていくことが望まれます。将来的には,学校図書館が学校全体の総合情報センターとして,読書や学習に必要な資料・情報をはじめ,学校内のあらゆる資料・情報を収集・整理・保存し,いつでも利用できる体制づくりに発展していくことが望まれます。
2.都立多摩図書館について
都立多摩図書館は,雑誌の特性を活かしたサービスを行う「東京マガジンバンク」と,都内の子ども読書活動を推進する「児童・青少年資料サービス」の二つの機能を柱に,都民の調査研究や市区町村立図書館への支援を行っています。
平成29年1月の市内への移転に伴い,より多くの都民に利用されるよう開架エリアを拡充し,開館時間を延長して運営しています。
また,「第三次東京都子供読書活動推進計画」(平成27年都教委策定)に基づき,東京都教職員研修センターと連携した教職員への研修,都立図書館ホームページによる情報発信,都立学校(高等学校,特別支援学校等)への支援等を通して,学校での読書環境づくりに寄与しています。
具体的には,学校の校外学習及び職業体験の受入れ,出張おはなし会,出張ブックトーク,市区町村立図書館(地域文庫との共催を含む。),職員,教職員向けの研修への講師が行われています。
今後の課題としては,児童・生徒の主体的・対話的な深い学びを実現するための場の提供があります。そのためには,地域の公立図書館や学校の実情を把握し,効果的な支援を展開していくことが必要です。
都立多摩図書館は,東京都全体の子どもの主体的な読書活動を推進する役割を担っており,このような趣旨に基づき,学校支援についてもより効果的な方法を検討していく必要があります。
3. 相互の連携について ~期待されること~
「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(平成24年12月19日文部科学省告示第172号)には,「連携・協力」について以下のように示されています。
四 連携・協力 | |
[1] | 図書館は,高度化・多様化する利用者及び住民の要望に対応するとともに,利用者及び住民の学習活動を支援する機能の充実を図るため,資料や情報の相互利用などの他の施設・団体等との協力を積極的に推進するよう努めるものとする。 |
[2] | 図書館は,前項の活動の実施に当たっては,図書館相互の連携のみならず,国立国会図書館,地方公共団体の議会に附属する図書室,学校図書館及び大学図書館等の図書施設,学校,博物館及び公民館等の社会教育施設,関係行政機関並びに民間の研究団体等との連携にも努めるものとする。 |
図書館は,利用者の様々な要望に応えるために,他の図書館をはじめ多様な関連機関との連携・協力が必要です。国分寺市においても,近隣の図書館等の関連機関はもとより,様々な機関との連携・協力を図りつつ市民サービスに努めています。今回の諮問は,取り分け三者の連携について諮問があり,そのあり方をまとめました。
3-1.市立図書館と学校図書館の連携
平成22年度から全校に学校司書が配置され学校図書館が「読書センター」及び「学習・情報センター」としての機能の充実が図られています。現在,市立図書館では学校図書館との,事務レベルの連絡事項を共有する連絡協議会の定期的な開催をはじめ,資料提供や情報提供などを中心とした連携が行われています。児童・生徒による読書活動や調べ学習の充実が図られ,平成23年度以降は貸出しが大幅に伸びてきています。今後,学校図書館の充実に伴う児童・生徒の利用の増加に対応して,読書及び学習環境の整備・充実や児童・生徒が日常生活の中で主体的に図書館を活用するためのスキルの向上を図るため,市立図書館と学校図書館の連携の強化に向けた具体的な取組として,次のようなことが挙げられます。[1] | 市立図書館と学校図書館の活動状況等の情報共有による相互理解の促進とそれぞれの図書館における児童・生徒への積極的な働きかけ |
[2] | 市立図書館と学校図書館による児童・生徒へのおすすめ本や人気の本ならびにイベントなどの情報交換や共同事業化 |
[3] | 小中学校の図書委員会活動と市立図書館との連携した取組の推進 |
[4] | 資料の相互貸借を円滑に図るためのコンテナ便の輸送体制の充実 |
学校図書館及び市立図書館における児童・生徒の利用の変化を見ると,学校図書館の利用が増加しています(5-2資料参照)。蔵書の充実の他,学校司書の配置による恒常的な読書指導や授業における調べ学習の充実,校内における読書啓発がさかんに行われている効果が,利用増につながっていると考えられます。 こうした状況を踏まえて今後は,市立図書館と学校図書館のより強い連携が必要です。そのためにも学校の指導計画や読書計画等年間を通した相互の情報共有を一層図ることで,市立図書館が授業内容について理解を深め,適切な時期に適切な資料が十分に行き届くための体制づくりが必要です。
3-2.都立多摩図書館と市立図書館及び学校図書館との連携
都立多摩図書館と市立図書館及び学校図書館とが,それぞれが担う役割や機能に基づいて連携することで,総合的には市内における子ども読書の環境が向上し,ひいては東京都の子ども読書の環境が向上していくことにつながっていきます。市立図書館については,市民をサービス対象として市民の読書環境を整えると同時に,調査・学習に必要な資料や情報を提供しています。市内の所蔵資料で対応ができない場合は,都立図書館及び他市区町村立図書館の資料を借用して提供しています。
その他,公立図書館職員を対象とした都立図書館主催の各種研修に参加することで,新たな情報の入手や職員の人材育成が図られています。 都立多摩図書館と市立図書館との連携の現状については,地域文庫と市立図書館共催の講演会への都立多摩図書館からの講師派遣や都立多摩図書館の企画展示へ市の地域資料の提供を行なっています。また,広報面では都立多摩図書館の利用案内を配布するほか,毎月の映画会や講演会等の催事情報を市報等に掲載しています。市立図書館の催事に関しては,都立図書館内における掲示及び配布を依頼しています。
学校図書館については,小・中学校に在学する児童・生徒及び教員をサービスの対象としており,図書の管理・整備及び貸出しをする「読書センター」としての機能に加えて,調べ学習のほか授業に必要な資料を用意する等「学習・情報センター」としての機能も有しています。また,自校で不足する資料については,他校の学校図書館や市立図書館と連携して資料を活用しています。
都立多摩図書館の学校への支援については,職場体験及び校外学習が実施されています。
これらの現状を踏まえて,今後,都立多摩図書館との連携の中で,市立図書館及び学校図書館が期待することとして大きく次の4点あります。
[1] | 相互の催事に関する情報,図書の情報等に関する情報の共有やそれぞれを周知する広報面での連携 |
[2] | 講演会・講習会への講師派遣等の人材面での連携 |
[3] | それぞれの施設を有効活用しあうような施設面での連携 |
[4] | 障害のある児童・生徒や外国籍等の児童・生徒に対する支援等の連携 |
相互の催事に関する情報については,既に連携している内容をさらに発展させ,都立多摩図書館の新刊情報等の提供により学校の授業への積極的活用が図られることを期待します。
人材派遣については,市立図書館が実施する地域の文庫活動支援,学校図書館の選書支援,出張ブックトークやおはなし会のための講習への支援が期待されます。
施設やサービスの活用については,児童・生徒の主体的,対話的な深い学びを実現するための場の提供があります。また,図書の選定については選書コーナーの活用等が期待されます。
障害のある児童・生徒に向けては,市立図書館が実施する出張によるおはなし会やブックトーク等のための講習会への支援が期待されます。
また,今後小学生にも広がっていく英語教育や外国籍等の児童・生徒の増加等を踏まえた英語をはじめとする多言語資料の提供が期待されます。
4. 今後の展望
今後,三者が有効に連携していくためには市立図書館と学校図書館の連携を強化した「連携協議会」を設置した上で,三者が様々な情報や提案を共有し,継続的に協議する体制が必要です。
そのために市立図書館が三者のコーディネート役としてその機会・窓口を設け,継続的・発展的にその役割を果たすことを提言します。
市内の子ども達は,市内にある学校図書館・市立図書館・都立多摩図書館を,年齢や学齢に応じて,また,そのときどきの目的に応じて有機的に使い分けています。読書に親しむことや研究課題の解決,また,人生の岐路における選択,さらには社会人・大人へとなってからも人生の伴走者として図書館を活用していきます。
こうした切れ目のない知のインフラを継続して提供していくために,三者が社会情勢や価値観,図書館利用の変化等に柔軟にかつ継続的・発展的に話し合いをもつ機会が必要です。三図書館が市内にあるという利点を最大限に活かし,相互の理解をより一層深め,力を結集していくことで,現在の子ども達,さらには将来の子ども達にとってかけがえのない知的財産の宝庫になっていくことを大いに期待します。
※東京都全域をサービス対象とする都立多摩図書館と一自治体との関わり方については, 不確定要素はあるものの,当運営協議会としては新たな都立多摩図書館の誕生を機に今後の新しい時代に即した展開を期待します。
5.資料 ~現状分析(統計)などの関連資料~
5-1.市立図書館活動利用統計
市立図書館活動報告より5-2.市内の地域・家庭文庫、おはなしグループ等の団体一覧
団体名 | 設立年 | 構成人員 | 主な活動場所 | 活動頻度 |
絵本お楽しみ会 | 1981 | 6 | 恋ケ窪図書館 自宅 | 月2回 |
おはなしトレイン | 2000 | 7 | もとまち児童館 | 月1回 |
おはなしの会「でんでんだいこ」 | 1997 | 16 | 市立図書館・学校等 | 随時(年200回以上) |
おはなしの会「とんことり」 | 2007 | 14 | もとまち公民館 小学校(一小)放課後子どもプラン |
月1回程度 年3回程度 |
おはなしのくに ピッピ | 1988 | 18 | 市内小学校 児童館 並木図書館 |
並木図書館(月2回) しんまち児童館(月1回)他 |
おはなしポケット | 1983 | 9 | 本多図書館 小学校(七小) 本多児童館 |
本多図書館(月2回) 本多児童館(月1回) 七小(年1回全学年) |
なかよし文庫 | 1970 | 5 | 自宅 | 月2回他 |
はらっぱ文庫 | 2002 | 4 | 自宅 | 週1回 学童(月1回) 他2箇所(隔月) |
PTAサークル五小 おはなしの会 |
2008 | 15 | 五小 放課後子どもプラン | 年5~6回 |
東元町文庫 | 1973 | 8 | 東元町一丁目自治会公会堂(平安神社内) 小学校(一小) |
月2回程度 |
5-3.学校図書館 学校別利用統計
小中学校図書館利用状況(全校平均)小学校 |
年 度 | 児童貸出冊数 | 学習貸出冊数 | |
小学校 | h27 | 245,482.0 | 1,301.7 | h28 | 26,863.2 | 1,317.4 | h29 | 28,741.8 | 1,471.5 |
中学校 |
年 度 | 児童貸出冊数 | 学習貸出冊数 | |
中学校 | h27 | 4,429.6 | 1,193.6 | h28 | 4,614.4 | 1,164.8 | h29 | 4,145.2 | 1,431.0 |
5-4.平成29年度 東京都多摩図書館 事業実績(「事業概要 平成30年度版」より抜粋)
[1] 入館者数
区 分 | 多摩図書館 | ||
開館日数 | 月別入館者数 | 1日平均 | |
平成29年 4月 | 28 | 20,542 | 734 |
平成29年 5月 | 29 | 21,877 | 754 |
平成29年 6月 | 19 | 14,061 | 740 |
平成29年 7月 | 29 | 21,235 | 732 |
平成29年 8月 | 29 | 20,546 | 708 |
平成29年 9月 | 28 | 16,679 | 596 |
平成29年 10月 | 29 | 16,191 | 558 |
平成29年 11月 | 28 | 20,430 | 730 |
平成29年 12月 | 26 | 14,979 | 576 |
平成30年 1月 | 26 | 15,662 | 602 |
平成30年 2月 | 26 | 17,141 | 659 |
平成30年 3月 | 29 | 16,363 | 564 |
計 | 326 | 215,706 | 662 |
[2] 児童資料所蔵状況
(冊) | |
児童資料 (含:児童研究書) | 199,429 |
内 絵本 (含:外国語の絵本) | 約52,000 |
紙芝居 | 約4,400 |
外国語の児童書 (含:絵本) | 約26,400 |
[3] 都立図書館予算・決算
(円) | |
29年度予算額 | 1,590,527,000 |
同決算額 | 1,444,509,852 |
[4] 児童青少年資料担当レファレンス
(件) | |
区 分 | 件 数 |
口 頭 | 6,653 |
電 話 | 315 |
ファクシミリ | 5 |
文 書 | 25 |
Eメール | 157 |
計 | 7,155 |
[5] 区市町村立図書館職員等への専門的研修及び講師派遣
区 分 | 研修・見学会・担当者会名 | 会場 | 回 数 | 修了者数 | |
情報サービス研修 | 子供の読書に関する講座 | 「児童図書館専門研修Ⅰ」 (全3日間) | 多摩図書館 | 1回 | 117名 | 「児童図書館専門研修Ⅱ」 | 1回 | 54名 | 「児童図書館専門研修Ⅲ」 オプション「読み聞かせの基礎」 | 1回 | 45名 |
障害者サービス研修 | 音訳者講習会 | 初級研修(全6日間) | 多摩図書館 | 1回 | 26名 | 中級研修(全6日間) | 中央図書館 | 1回 | 25名 | 専門研修 | 1回 | 15名 | 障害者サービス研修 | 1回 | 62名 |
講師派遣 | 聞きやすい音訳とは(11月8日) | 西東京市保谷駅前図書館 (1名派遣) | 1回 | 52名 | 音訳者連絡会・勉強会(2月8日) | 昭島市民図書館(1名派遣) | 1回 | 10名 | 平成29年度多摩地区図書館児童サービス研究会第2回定例会 「ブックトーク」について(11月21日) | 東京都市町村立図書館長協議会 (2名派遣) | 1回 | 67名 | おはなしボランティア養成講座(2月9日) | 昭島市民図書館 | 1回 | 30名 |
その他(担当者会等) | 障害者サービス事務担当者連絡会 | 中央図書館 | 1回 | 72名 | 児童・青少年サービス担当者会(合同開催) | 多摩図書館 | 1回 | 97名 |
[6] 関係機関等への講師派遣
区 分 | 研修名 | 主催者 | 派遣者数 | 回 数 | 修了者数 |
講師派遣 | 聴覚障害者社会教養講座(7月6日、14日) | 東京都教育委員会 | 1名 | 2回 | 24名 | 児童図書館員要請専門講座(9月29日) | 公益社団法人図書館協会 | 1名 | 1回 | 13名 | 平成29年度東元町文庫・もとまち図書館共催講演会 (10月22日) | 国分寺市東元町文庫 もとまち図書館 | 2名 | 1回 | 30名 |
[7] 学校教育活動への支援事業
(目的)
「第三次東京都子供読書活動推進計画」(平成27年2月東京都教育委員会策定)等に基づく諸事業をはじめ,児童・生徒の読書活動や学習活動及び教職員の授業研究や学校図書館運営等に対する支援を実施する。
(事業)
ア 学校レファレンス支援サービス
来館,電話,Eメール及びファクシミリ等による問合せに対し,回答を行った。
(ア) | レファレンス件数 | 109件 |
(授業用参考資料並びに修学旅行及び移動教室の事前学習用資料の紹介等) | ||
(イ) | 子供の読書に関する相談 | 80件 |
(子供読書活動推進資料の活用法,資料の加工使用の許諾及び著作権や研修講師の情報等) |
イ 職業インタビューの受入れ
学校からの申込みを受け,司書の仕事の説明及び館内見学を行った。
受入校(学年 参加者数) | 実施場所 | 校 数 | 参加者数 |
都立芦花高等学校(1年 1名) | 多摩図書館 | 1校 | 1名 |
ウ 職業体験・インターンシップ等の受入れ
学校からの申込みを受け,職員の指導により,受付,資料の出納,整架及び本の紹介などの図書館の基本的な仕事を体験した。
受入校(学年 参加者数) | 実施場所 | 校 数 | 参加者数 |
小平市立小平第四中学校(2年 3名) 国分寺市立第三中学校(2年 3名) 都立富士高等学校附属中学校(2年 2名) 都立立川国際中等教育学校(2年 3名) 都立武蔵台学園(高等部1年 2名) 都立小金井特別支援学校(中学部1年 21名) | 多摩図書館 | 6校 | 34名 |
エ 校外学習の受入れ
学校からの申込みを受け,実施した。中央図書館では,主に図書館を利用した文献調査方法の説明及び館内見学を行った。
多摩図書館では,小学校向けには主に見学や調べ学習など,中学校・高校向けには主に見学やインタビューなど,特別支援学校(学級)向けにはおはなし会や見学などを行った。
受入校(学年 参加者数) | 実施場所 | 校 数 | 参加者数 | |
(小学校) | 国分寺市立第一小学校(3年 72名,6年 63名) 国分寺市立第三小学校(3年 138名) 国分寺市立第四小学校(1年 133名,5年 143名) 国分寺市立第五小学校(3年 61名) 国分寺市立第六小学校(6年 89名) 国分寺市立第九小学校(6年 81名) 国分寺市立第十小学校(6年 66名) 早稲田実業学校初等部(3年 108名) | 多摩図書館 | 8校 | 954名 |
(中学校) | 国分寺市立第二中学校(1年 5名) 西東京市立ひばりが丘中学校読書部(12名) 早稲田実業学校中等部(7名) | 3校 | 24名 | |
(高校) | 都立西高等学校図書委員会(10名) 都立清瀬高等学校図書委員会(11名) 立川女子高等学校文芸部(8名) | 3校 | 29名 | |
(特別支援学校及び特別支援学級) | 都立小金井特別支援学校(14回 延159名) 都立武蔵台学園(2回 延33名) 国分寺市立第二中学校特別支援学級(13名) 国分寺市立第四小学校特別支援学級(12名) | 4校 | 217名 |
オ 生徒と図書館をつなぐ取組
中高生の参加を募り,図書館や読書に関する,ワークショップ,講演会等を行った。
内容 (実施日) | 実施場所 | 参加校数 | 参加者数 |
プロが教える!翻訳小説の世界&翻訳ワークショップ(7月15日) | 多摩図書館 | 15校 | 29名 |
カ 出張おはなし会・選書支援・資料貸出等の支援
実施校等 | 主な支援内容 | 実施部署 | 校 数 | 参加者数 | |
(小学校) | 大田区立池上第二小学校 渋谷区立中幡小学校 昭島市立成隣小学校 国分寺市立第九小学校 福生市立福生第七小学校 利島村立利島小中学校 | 資料貸出 | 多摩図書館 | 6校 | - | 青梅市立若草小学校 (3年 105名) | 出張ブックトーク | 1校 | 105名 |
(中学校) | 羽村市立羽村第一中学校 | 出張ブックトーク | 1校 | 400名 | 大田区立矢口中学校 | 資料貸出 | 1校 | - |
(中高一貫教育校) | 都立両国高等学校附属中学校 | モバイル・ライブラリー (英語多読資料のセット貸出) | 1校 | - | |
(高校) | 都立世田谷総合高等学校 都立小平西高等学校 | 出張読み聞かせ講座 | 2校 | 55名 | 都立立川高等学校定時制 都立国分寺高等学校 | 出張ブックトーク | 2校 | 173名 | 都立三宅高等学校 | 選書支援 | 1校 | - | 都立第五商業高等学校 | 資料貸出 | 1校 | - | 都立三田高等学校 都立小川高等学校 都立国分寺高等学校 | モバイル・ライブラリー (英語多読資料のセット貸出) | 3校 | - |
(特別支援学校及び特別支援学級) | 都立久我山青光学園 (7回 延73名) 都立八王子盲学校(1回 9名) 都立立川ろう学校(1回 25名) 都立品川特別支援学校 (2回 延157名) 都立青鳥特別支援学校 (1回 12名) 都立中野特別支援学校 (1回 170名) 都立永福学園(1回54名) 都立八王子特別支援学校 (1回 164名) 都立八王子東特別支援学校 (1回 50名) 都立青峰学園(1回 17名) 都立武蔵台学園(2回 43名) 都立調布特別支援学校 (1回 11名) 都立七生特別支援学校 (1回 256名) 都立多摩桜の丘学園 (1回 126名) 小平市立花小金井南中学校 (2回 延42名) | 出張おはなし会 | 15校 | 1,209名 | 都立小金井特別支援学校 | 図書館整備支援 | 1校 | - | 都立青山特別支援学校 都立八王子特別支援学校 都立多摩桜の丘学園 | 学校図書館選書等相談会 | 3校 | - | 東京学芸大学附属特別支援学校 都立久我山青光学園 都立立川ろう学校 都立武蔵台学園 都立八王子特別支援学校 | 資料貸出 | 5校 | - |
(注) | ( )内の記載について…小学校・中学校・高校・中等教育学校は,対象学年と参加者数を記載。 特別支援学校及び特別支援学級は,実施回数と参加者数を記載。 |
キ 啓発資料・ブックリスト等の提供(多摩図書館)
「学校支援ツール」を希望する学校へ個別配布 4,111部
※配布した「学校支援ツール」の内容
「読み聞かせABC」「特別支援学校での読み聞かせ」「これならできる!自由研究111枚のアイデアカード集冊子版」
「読み聞かせに挑戦!中学生・高校生編」「ひとりでよめるよ」「えほんかるた」「ほん・本・ごほん」
「ほん・本・ごほんクイズ」「ほん・本・ごほんブックトークシナリオ」
ク 教職員向けの研修講師等の派遣
実施校・研修主催者等 | 内容 | 実施部署 | 参加者数 |
東京都教職員研修センター | 専門性向上研修 読書活動Ⅰ(7月25日) | 多摩図書館 | 200名 | 府中市立小中学校教育研究会 学校図書館部研究会 | 府中市立小中学校教育研究会学校図書館部研究会 「ブックトークで本の世界を広げよう」(12月13日) | 17名 | 足立区教育委員会 | 学校図書館支援員研修会 「学校図書館の選書にあたり知っておきたいこと ノンフィクションを選ぶ」(12月19日) | 35名 | 府中市立府中第二小学校 | 第15回読み聞かせ・図書館ボランティア交流会 「読み聞かせについて」(1月30日) | 60名 | 杉並区教育研究会中学校部会 学校図書館部会 | ブックトークの実践 その方法(2月24日) | 20名 | 東京都特別支援学校校長会 | 人材育成講習会 多摩図書館の支援事業と児童青少年資料サービスについて(12月9日) | 59名 |
[8] 視覚障害者等用資料 所蔵状況
区 分 | 録音資料 | 点字資料 | 点字雑誌・新聞 | 録音雑誌・新聞 | 録音テープ | デイジー | 録音テープ | デイジー |
多摩図書館 | 3175点 17106巻 | 1328点 1328枚 | 406点 1679冊 | 11種 604冊 | 19種 4418点 | 7種 369点 |
[9] 視覚障害者等サービス状況
登録制で、資料の対面音訳並びに、テープ・デイジー資料及び点訳資料の作成及び貸出を行っている。
区 分 | 登録者 | 対面音訳 | テープ・デイジー資料 | 点 訳 | 利用者 | 音訳者 | 利用人数 | 音訳者数 | 音訳時間 | 受付数 | テープ資料 | デイジー資料 | 受付数 | 作成数 | 貸出数 | 作成数 (巻) | 貸出数 (巻) | 作成数 (枚) | 貸出数 (枚) | 点字 (冊) | FD (枚) |
多摩図書館 | 102 | 15 | 234 | 339 | 953 | 7 | 0 | 25 (50) | 59 (59) | 1792 (1792) | 2 | 2 (6) | 18 (24) | 0 (0) |
[10] 視覚障害者サービス担当レファレンス (件)
区 分 | 件 数 |
口 頭 | 153 |
電 話 | 272 |
ファクシミリ | - |
文 書 | - |
Eメール | 174 |
計 | 589 |
[11] フロア概要
○ 対面音訳室
視覚障害者等に対して、対面朗読及び録音資料の作成を行っています。
◆バリアフリー対応等
・総合案内で、車椅子の貸出しをしています。
・「相談カウンター」や「こどものへやカウンター」で、筆談等の対応をします。
・「こどものへやカウンター」でベビーカーの貸し出しをしています。
・オストメイト対応設備があるトイレのほか、親子で利用できるトイレや授乳室があります。
・入口にAEDを設置しています。
5-5.答申書作成までの経過
諮問を受け,本運営協議会は国分寺市における子どもの読書環境について,その現状をあらためて認識するために各分野からの説明を求め,以下の日程でヒヤリングを行った。このヒヤリングは,運営協議会の会議の場に関係者を招いて,全委員が参加する中で,説明や意見交換が行われ,この中の議論を踏まえ起草委員会を立ち上げ答申案作成の作業に入った。
・平成29年5月19日(金) 15時~ | 並木公民館 実習室 |
「国分寺市立図書館の児童サービスの現状」 | |
図書館長 藤川浩二氏 | |
・平成29年8月29日(火) 14時~ | 本多公民館 会議室C |
「学校図書館の現状について」 | |
司書教諭 松下知子氏(四小) 永村真理氏(十小) 学校司書 春田経子氏(一中)、近藤裕子氏(八小)、田邉ひろみ氏(二小) | |
・平成29年10月10日(火) 9時~ | ひかりプラザ 5階 |
「都立多摩図書館の現状について」 | |
都立多摩図書館館長 古谷幸雄氏 | |
・平成29年12月19日(火) 9時30分~ | ひかりプラザ 5階 |
「家庭文庫・地域文庫・読み聞かせグループの現状について」 | |
おはなしポケット代表 蓮實麗子氏 |
【起草委員会開催経過】
第1回 | 平成30年1月23日(火) | 18時~ | 本多公民館 会議室A |
第2回 | 平成30年2月20日(火) | 18時~ | 本多公民館 会議室A |
第3回 | 平成30年3月20日(火) | 18時~ | 本多公民館 会議室A |
第4回 | 平成30年4月10日(火) | 18時~ | 本多公民館 会議室A |
第5回 | 平成30年5月29日(火) | 18時~ | 本多公民館 講座室 |
第6回 | 平成30年6月19日(火) | 18時~ | 本多公民館 会議室1 |
第7回 | 平成30年7月10日(火) | 18時~ | 本多公民館 和室 |
第8回 | 平成30年7月27日(金) | 18時~ | 本多公民館 会議室1 |
第9回 | 平成30年8月30日(木) | 18時~ | 本多公民館 会議室1 |
第10回 | 平成30年9月13日(木) | 18時~ | 本多公民館 会議室1 |
第11回 | 平成30年9月20日(木) | 18時~ | 本多公民館 会議室1 |
【図書館運営協議会委員】(50音順) ○起草委員
神原 富美子 | |
○ | 倉本 恵子 |
○ | 迫田 章子 |
○ | 座間 直壯 |
○ | 清水 啓文 |
瀬川 友子 | |
関 達朗 | |
○ | 蓮實 麗子 |
平山 純一 | |
村山 洋髙 |